その1



  このページは、2年前に掲載したが、その時には、冒頭コラールと、最終部アレグロ部分2ヶ所だけの演奏比較だった。
  その後、日本は世界一のブロードバンドの普及国となった。全曲アップで、再掲載する。文章は、そのままなのでご了承を。


 シベリウスの「フィンランディア」は、最も数多く演奏されている名曲のひとつだ。オープニングの演奏回数ランキングでも、堂々トップである。親しみやすくわかりやすい曲なので、サマコン御用達となっている。
 27年前の第2回サマコン以来、ほぼ5年毎に演奏されているので、それぞれの演奏から、時代時代の金大フィルが浮かび上がってくるだろう。




 あまりに有名過ぎるためか、ほとんど定演でとりあげられることはない。サマコンのオープニング用に、気軽に採り上げられる傾向があるように思われる。そのため、演奏は、どちらかといえば下級生中心のメンバーで構成されることが多いようだ。メンバー数の多いアマオケはどこでもそうなのだが、メイン交響曲にベストメンバーを揃えるのは普通のこと。
 名曲の名演奏は、生まれにくいのかもしれない。実際にはどうだろうか・・。
 幾分、ぞんざいに取り扱われている「フィンランディア」だが、曲の背景に流れる、切実で熱い思いを考えるにつけても、100%の情熱で演奏に臨んでほしいが・・どうだろう。


 下表にあるように、1969年の第30回の定期演奏会が金大フィルにおける最初の演奏のようだ。音楽教室などでは、既に何度か公開演奏はしているように思われる。
 記録として聴くことが出来るのは、1975年の第2回サマコン以後のものである。いずれも、サマコンオープニングとして演奏されている。当然、学生指揮者によるものだ。演奏会場も、それぞれ異なっており、そこにも注目してみよう。

コンサート 会場 指揮 冒頭時間 最終部 全曲
1969 第30回定演 観光会館 山下成太郎  −
1975 第2回サマコン 観光会館 河原啓一  51秒 1分14秒
1980 第5回サマコン 厚生年金 斉藤忠直  52秒 1分11秒
1985 第10回サマコン 厚生年金 松浦正純  1分6秒 1分14秒
1991 第16回サマコン 観光会館 尾崎祐司 58秒 1分10秒
1996 第21回サマコン 観光会館 池田宗介 51秒 1分 5秒

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