★金大フィルデータ
1.演奏曲目編その2
 金大フィルは、2004年に第64回目の定期演奏会を迎えます。サマーコンサートを合わせると、公式の演奏会だけでも、91回を数えます。音楽教室(今はやってない?)のようなものを含めれば、100回をゆうに超えるものと思われます。これらの演奏会記録や、演奏会プログラムの記録を元に、様々な角度から金大フィルの歴史を振り返って見ましょう。まず、過去の演奏曲目から分析を試みます。意外な発見があります。

          表の見方
 茶色は定期演奏会を、緑色は、サマーコンサートを示します。また、セルの中の数字は、何回目の演奏会かを示します。たとえば、s7は第7回サマーコンサートで演奏されたことを示します。「コリオラン序曲」は、5個のセルが埋まっていますので、これまで、金大フィルが5回の公式演奏会で演奏したと言うことを意味しています。



As of 2003/1/22

オープニング曲の演奏履歴
 オープニング曲つき、同じように過去の演奏頻度を調べてみました。第10回定期演奏会(1955年頃)くらいまでは、まだ、オープニング、サブメイン、そしてメインと言うような一般的な構成が定着していません。ほぼ、10-20分程度の長さのいわゆるオープニング曲について、カウントしました。


またしても意外な発見が・・・・・
第1位はこれも、想像に難くないのですが、ベートーヴェンの「エグモント」序曲が選ばれました。ダントツの9回ですが、不思議と定期演奏会だけ!に登場しています。曲のあまりにも重苦しい冒頭部がサマーコンサートにはそぐわないためかもしれません。弦初心者のデビュー曲として手ごろな点もあるかも知れません。

対照的に、主にサマコンでの最高登場回数で、2位に輝いたのは、「フィンランディア」でした。これも順当なところ。最終部へ向かっての清清しい盛り上がりも、サマーコンサートにふさわしいからでしょう。

第3位は、同じくベートーヴェンの「コリオラン」序曲でした。意外にも、サマーコンサートでも多く演奏されており、ちょっと不思議なところです。「エグモント」よりは若干技術的に易しいためかも知れません。譜面づらは簡単でもベートーヴェンの特徴的な重い音を出す必要があり、学生指揮者には実は難しいところもあるはず。

その他で、演奏頻度の特に高いものは、マイスタージンガーの前奏曲くらいでした。まだいろいろな可能性に、挑戦し続けていると言うことかもしれません。

初期ではロッシーニ、ベートーヴェン、モーツアルトの序曲等が、定番だったようです。ワーグナーなどは80年代以降にレパートリー開拓をしています

特徴的な選曲では、第35回定期のフランク「贖罪」という、難解な曲の例があります。また、金大フィルには貴重なフランスもので、ラヴェルの「古風なメヌエット」が目を惹きます。同じく、馴染みの少ない、イタリアものでは、「ナブッコ」序曲を2回演奏しています。