主人の不定期コラム

  


          「ベルリンフィル金管奏者来訪!!」
                    2004年11月5日 夜

            


  鹿島屋の「勲章」がまた一つ増えました。

 ダメでもともと主義をいまだ貫いております私にとっても、さすがにベルリンフィル金管奏者を鹿島屋にお招きする事は最初から至難の業とは思っておりました。
が、「念力」でなんとかその「夢」が叶ったのであります。


 夢のようなスーパースターとの宴会は11月5日に嵐のようなあわただしさの中で始まりました。

 当初はなかなかスケジュールが合わず、前日の様子ではダメかなと悲観的になっておりました。しかし「奇跡」は起りました。

 朝から連絡を待っておりましたが夕方になっても電話はかかって来ず、99%諦めていた夕方6時過ぎ、ITSのH氏から電話が掛かってきました。
かなり興奮している様子で
「来る、来る、鹿島屋さん今から行きますよ。今、日航 ピッ(携帯が切れた音)」、
「なに! 一体どうなっとるんや?、何人?、どんなメンバー?、ゲストの名前は?」なんて事を訊こうと思ったが体が先に動いていました。
開催は一旦中止と言う事で、バイトもキャンセルし全く準備もしていない状態でした。

 しかし体が本能的に冷蔵庫の中を探し回っていました。10人ぐらいだったら何とかなる。 おっと、その前に広間の設営。家族総動員です。

 テーブルを並べている最中に早くもスーパースターの皆さんがお着きになり、挨拶をする余裕もないままドラマの幕が開いたのです。
とにかく私の長い人生でもめったに無い「一大イヴェント」が今から始まると思うと火事場の馬鹿力のようなもので普段では考えられないスピードで用意が完了しました。


 飲み始めて暫くして、ようやくゲストの名前と顔が一致してきました。
それほど舞い上がっていたのであります。
           
 宴たけなわ、旧知の友人の様な会話が飛び交いました。
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 嬉しい事にクレッツアー氏は娘さんと一緒に来てくれました。
慣れない畳での宴会でしたが器用に箸を使っておられました。
 朋友のヒルザー氏はドイツ紳士らしく、あれだけのプレイヤーでありますが
言葉は丁寧、控えめでこちらの方が恐縮した次第です。
 ご存知クレッツアー氏、ヒルザー氏との3ショット、まだ緊張気味です。
           



 やや時間を置いて、ヴァレンツァイ氏(主席ソロトランペット奏者)、チューバのヒュンペル氏がお越しになられ宴は佳境となりました。
  
 ソロ・トランペッターのヴァレンツァイ氏、ようやく盛り上がって来ました。
         
 こちら側の参加者はOEK 3名、ITS 4名、金大フィルOB3名、
皆さん堪能?な英語で音楽談義に花が咲いておりました。



 特に豪放磊落な性格とお見受けしたヒュンペル氏の話題は言葉も、国籍も違う方達のパーティーでも「爆笑」を誘うもので盛り上がりました。
    
 ベルリンフィル金管の重鎮チューバのヒュンペル氏、来年2月後半からの2週間にわたる日本でのベルリンフィル金管アンサンブルコンサート、是非聴きに行きたいものです。
       

 過去に私共がソロコンサートのお手伝いさせていただいたグロート(元ソロトランペット奏者)氏の話題になると、ゲスト全員の皆さんが驚いておられました。

5年前のグロート氏リサイタル開催時
グロート氏との2ショット
1998・2・10


                         
 圧巻はクレッツアー氏の娘さんの浴衣姿でした。
客室で着替えをして皆さんの前にご披露、万雷の拍手でした。
ご自分で浴衣の柄を選んだだけあってとてもよくお似合いでした。
着付けは当然女房が嬉しそうにやっておりました。

 本日の圧巻!!
クレッツァー氏の娘さんの浴衣姿、大変良くお似合いです。
    

    
  実を言うと、宴会でのもう一つの「圧巻」は3人のトランペット奏者によるハイドンのコンチェルト1楽章を私の愛蔵ヘッケルでヴァレンツァイ氏、ヒルザー氏、クレッツァー氏の順番で吹いてくれた事なのです。これも後悔話になりますが、誰も写真を撮っていなかったのです。宴会参加者はラッパの連中ばかりなので豪華なメンバーによる珠玉の音色に聴き入っていたのであります。ラッパ吹きの端くれでもある私も写真なんぞ撮っている暇はありませんでした。まさか、あのフレーズを、私の「宝物」で奏でてくれるなんて夢にも思っておりませんでした。
  *「ヘッケル」は、既に製作が途絶えたドイツの楽器ブランド。かつてのヴィーンフィル奏者が使用していた。


 ホテルに10時半に帰らねばならないと言う事で後半はサイン攻め、写真攻めと相成りましたが、皆様快く応じていただけました。
 4時間にならんとする宴会でしたが、私共には本当にあっという間の「夢のひと時」だったのであります。

  
 最後の定番、全員集合写真です。皆さん満足そうです。
        


 3年前のウィーン・フィルの皆様方に続いて、ベルリン・フィル、この世界最高峰の二大オーケストラ金管奏者を当館に迎えることができたことは皆様方のご支援の賜物なのであります。
 ご協力いただいた各方面の皆様方にあらためて感謝申し上げたく存じます。

 ありがとうございました。


    
 翌日、ヒュンペル氏から御招待頂き、ゲネプロを拝見しました。
 お言葉に甘えさせていただきました。こんな経験めったにありません。最高でした。!!!
      
 翌日のゲネプロは本当に素晴しいものでした。ラトル氏の言葉は3分の一ぐらいしか理解できませんでしたが、楽員は友人のように気さくに疑問点をラトル氏に訊いていたようです。コンマスも他のVn奏者に「このように弾いて下さい。」と立ち上がって自らが示していました。
 天下のBPOも何十回もやっている曲でも本番直前にはキッチリ合わせていたようです。その様子を「独り占めした」私共はブラームス2番の最終楽章では天にも昇る気持ちだったのであります。